ITの活用や市民の政治参加を主張するアイスランドの政党。海賊党とは「偽造品の取引防止に関する協定(Anti-Counterfeiting Trade Agreement ; ACTA)」に反対し、著作権保護の緩和、ファイル共有ソフトの合法化、市民の情報へのアクセス等を求めて、2006年にスウェーデンで設立。その後、ドイツ、イギリス、オーストリア、チェコ、スペインなどでも結党された。アイスランドでは12年11月、元ウィキリークスのメンバー、ビルギッタ・ヨンスドッティルが結党。直接民主主義、政治の透明性、情報の一般公開などを掲げ、13年総選挙で3議席を獲得した。アイスランドは08年のリーマンショックのあおりを受け金融危機に見舞われたが、16年4月に公表されたパナマ文書で、金融危機の最中に、シグムンドゥル・グンロイグソン首相夫妻がタックスヘイブン(租税回避地)を利用した蓄財をしていたという事実が暴露され、同首相は辞任を余儀なくされた。同年10月、総選挙が実施され、海賊党が63議席中10議席を獲得。緑の党と並ぶ第2党へと大躍進した。国民の既成政党への不信の表れと見られている。