民間軍事会社(PMC)またはPMF(Private Military Firms)は、軍隊や警察が担う業務の一部をビジネスとして請け負う会社。主要業務には正規軍の兵站(へいたん)支援、要人の警護、施設の警備などがある。イラクでは、復興支援の業務に一時期、民間企業関係者約12万6000人が関与していたが、うち4万8000人がPMCの契約者だったといわれている。主要企業に、アメリカのブラック・ウォーター社(現ジー・サービシズ)(800人)、トリプル・キャノビール社(1000人)、ダイン・コーブ・インターナショナル社(1000人)、イギリスのオリーブ・セキュリティー社、グローバル・リスク・インターナショナル(1200人)などがある。PMC契約社員のイラクでの死者の増加や、同社員の法的規制問題が表面化している。例えば、アブグレイブ刑務所でのイラク人捕虜への虐待にも関与したが、軍の法令が適用されていないなどの問題がある。なお、軍事コストの削減とは逆に、テロ行為や小規模戦闘の多発により、国家による「戦闘行為の外注化」が進みつつあるとの指摘がある。