2007年8月21日、国際原子力機関(IAEA)とイランが核開発での疑惑解明に関する手続きで合意した作業計画。これにより、国連の安保理決議がイランに求めているウラン濃縮活動の即時停止が無視されたまま、IAEAの対イラン査察が優先される恐れがあるとの問題点が指摘された。この合意では、未解決問題として、(1)プルトニウム抽出実験(抽出量が不明)、(2)ウラン濃縮活動に関する遠心分離核の開発計画(調査経緯などが不明)、(3)高濃縮ウラン(HEU)の検出問題(過去に未申告の濃縮活動がある可能性)、(4)金属ウラン関連文書(研究目的が不明)、(5)ポロニウム210の製造問題(起爆誘発研究の必要性に疑問)、(6)ウラン鉱山(軍の開発関与の可能性)、などが挙げられている。その上で、これらの問題解決が図られれば、IAEAとしての通常査察体制に戻るとされていた。しかし09年9月に新たなウラン濃縮施設が発覚し、10月にはイランがIAEAの査察を受け入れている。なお11月のIAEA理事会は発覚した新たな施設の建設中止を決議している。