イランのミサイル技術がロシア、北朝鮮の支援で進歩をとげており、その開発が周辺国の脅威となっている問題。2000年8月、イランは最大射程1300kmのシャハブ3の発射実験に成功し、03年から実戦配備をしている。同ミサイルは、北朝鮮のノドン・ミサイルの技術によるものといわれている。イランはミサイルの改造を進め、08年7月、新型シャハブ3の発射実験に成功したと発表している。また11月には、射程2000kmに迫る地対地ミサイル、セッジールの発射実験を成功させた。その後、09年12月には射程2000km余りの改良型セッジール2の試射に成功、ヨーロッパが射程に入ると発表した。これらにより、周辺のアラブ諸国のみならずイスラエルも警戒を強めている。現在、注目されている点は、北朝鮮の新型弾道ミサイルのムスダン(射程4000km)の技術移転により、イランがどのようなミサイルを完成させるかである。なおイランは、07年2月初の宇宙ロケット打ち上げ、08年2月、10年2月に国産化で打ち上げに成功したと発表している。このようなイランのミサイル開発に対し、アメリカはポーランド、チェコへのミサイル防衛(MD)施設の配備計画を発表したが、09年9月オバマ政権下で計画中止となった。