湾岸諸国における議会の設置、普通選挙の実施などの動き。サウジアラビアでは王位継承の透明化を図るため「忠誠の誓い委員会」が設置され、初代国王の息子の系譜者の合議による王位継承が取り決められた。また、2006年10月にバーレーンで実施された下院選挙(定員40、有権者は21歳以上)では、選挙による初の女性議員が誕生した。同月、オマーンでも下院選挙(定員83、有権者は21歳以上)が実施された。同年12月にはアラブ首長国連邦(UAE)で初の連邦国民評議会選挙が実施された(議員の半数の20人を選出、残り20人は07年2月に各首長が任命)。また、07年の主な閣僚人事については、3月にサウジが全閣僚の留任を決定、同月クウェートではナセル内閣が誕生(女性閣僚2人を含む)、4月にはカタールでハマド内閣が誕生した。08年には2月にUAEが内閣改造を実施、女性閣僚が4人となった。また5月にクウェートで実施された議会選挙(定員50)では、野党勢力の強硬派のスンニー(スンニ)派が躍進、シーア派勢力も議席を伸ばした。さらに09年5月のクウェート議会選挙では初めて4人の女性議員が選出された。