湾岸地域のイスラム過激派の動向問題。同地域では、ウサマ・ビンラディンやサーレハ・アル・アウフィ(「アラビア半島のアルカイダ」指導者)の呼びかけで、半島の獅子旅団、シャリーア・ファルコン大隊、アラビア半島のアルカイダ、二聖地旅団などがテロ活動を行ってきた。サウジアラビア政府は、テロ容疑者の指名手配リストを公表し情報提供者に報奨金を出す一方、公開斬首刑を復活するなどの対応をとっている。2009年2月にも85人の容疑者リストを公表し、出頭を求めている。しかし、06年2月にはサウジで世界最大の石油処理施設アブカイクへの襲撃事件、07年4月にも航空機による石油施設テロ計画が発覚(172人逮捕)しており、テロリストの活動には警戒を深めている。一方、09年11月、イエメンとサウジ国境で武力衝突が発生し、イエメンのシーア派のホースィー・グループとサウジ軍との緊張状態が続いている。