2006年7月、小泉純一郎首相(当時)により提唱されたイスラエル・ヨルダン・パレスチナの経済協力による、地域の信頼と共生を構築する仕組み。1993年からの日本のパレスチナ支援は9億ドルに及び、民生安定化を支えている。同構想は、西岸地域に農産業団地を建設し、その製品をヨルダン経由で湾岸アラブ諸国などに流通させるというもの。これにより、生産から消費までの一貫した物、人、金、情報の流れを生み、パレスチナとヨルダンの経済的自立の機会を与えようとしている。07年に入り、同構想の実現に向け、イスラエル、ヨルダン、パレスチナ、日本の4者協議が開催された。日本のこうした中東和平への取り組みは、カルテット(アメリカ、ロシア、国連、欧州連合〔EU〕)による交渉の枠組み形成の努力がなされるなかで、経済協力という実利を通じた信頼関係の情勢に努めているところに特色がある。