国家なき最大の民族。主な生活範囲は、トルコ、イラク、イラン、シリア、カフカスにまたがるクルディスタン山岳地帯。総数は1500万~2000万人で、住民の大半はスンニー(スンニ)派ムスリム。1920年のセーブル条約でイギリスがクルドの独立を約束したが、保護下のイラクとの関係を恐れ同約束をほごにした。代表的な組織にイラク北部地域のクルド民主党(KDP)、クルド愛国同盟(PUK)、トルコにはクルド労働者党(PKK)がある。KDPとPUKは過去に武力衝突もあったが、北イラクで自治区を形成、2005年1月のイラク制憲国民議会選挙以来クルド同盟を結成、議会内第2党を維持している。一方、PKKは、対トルコの武装闘争を継続している。なお、日本ではクルド人の難民認定問題で裁判が起き、日本の入国管理の厳しさが社会問題となった。