シーア派におけるイスラム学の権威に与えられる称号。宗教学者の中でも、とりわけ学識豊かで著名な人物に、「神の徴」という意味のこの称号が与えられる。ナジャフ(イラク)、コム(イラン)などのシーア派の主要都市には、モタワッリー(守護者)がいる。この中で高い学識を身につけた者がワーエズ(説教師)で、さらに一段と学識を積めばピーシュ・ナマーズ(礼拝の指導者)となる。そのうち最も優れた者がイマーム・ジョエム(金曜日の集団礼拝の導師)やホッジュテ・イスラム(宗教学の権威)になる。その中で著名な宗教学者が、アヤトッラーと呼ばれる。また、その中でも法解釈書の優れたものを著した人物が大アヤトッラーあるいはマルジャエ・タクリード(模倣の源泉の意)となる。彼らは種々の宗教的儀式をアヤトッラーの名において行う。アヤトッラーは信徒たちから直接献金を受け取る。この献金がモスク、聖域や学校、孤児院などの維持に使用される。