第一次大戦後のトルコ解放運動の指導者で、トルコ共和国初代大統領となったムスタファ・ケマル(ケマル・アタチュルク)がとった政策。ケマル(1881年3月12日~1938年11月10日)はトルコ革命の指導者で、ケマル・パシャとも呼ばれ、軍人としてトルコ分割をもくろむイギリス、フランス、イタリア連合軍に対抗した後、23年10月、アンカラを首都とするトルコ共和国を樹立し、初代大統領に就任した。ケマリズムは、共和主義、民族主義、民衆主義、国家資本主義、政教分離主義、革新主義の6原則を骨子とし、社会改革、近代化政策の支柱となった。建国の父として尊敬されるケマルの個人崇拝とも結びつき、現代トルコの重要な政治思想となっている。トルコの政治がこの路線から逸脱すると、軍部により修正を求める威嚇行動が見られることもある。