ユダヤ教、ユダヤ・イディッシュ文化を復興させようとしているユダヤ人の運動で、イスラエルの地での故郷再建運動。旧約聖書に記されたシオンとはエルサレムにある丘の名で、エルサレムの象徴。古来から迫害を受け離散(ディアスポラ)したユダヤ教徒には「シオンへ帰ろう」という願望があった。これを政治運動に転化したのがオーストリア人のユダヤ系ジャーナリスト、テオドール・ヘルツルである。ヘルツルは1897年バーゼルで第1回シオニスト会議を主催している。1917年にイギリスのバルフォア卿により、パレスチナにおけるユダヤ人居住地建設を約束したバルフォア宣言が出されたが、30年代に入ると、ナチズムによるユダヤ人迫害が起き、多くのユダヤ人がヨーロッパから脱出。それにともない、シオニズムの中心はアメリカに移る。その後、イスラエル国家の建国は、47年の国連によるパレスチナ分割決議を経て、48年、ベングリオンらの指導のもとで、成し遂げられる。しかし、そのことがパレスチナ問題を生んだ。