先進国首脳会議(G8)が2004年6月に採択した構想で、中東地域の発展と安定は国際社会全体の課題だとして中東諸国の改革をG8が支援するというもの。アメリカのブッシュ大統領(当時)が04年1月に提唱した「大中東構想」が基礎となっている。同案は、民主的・経済的改革を通して中東地域の変革が促進できるという仮説が前提である。G8発表では、現在の欧州・地中海パートナーシップ、米・中東パートナーシップ構想、日本・アラブ対話構想の協力を踏まえ、永続的な対話を根付かせるための「未来のためのフォーラム」(04年9月開催)を立ち上げ、(1)民主主義および法の支配、自由と多元性の尊重などでの進展に向けた改革、(2)教育や情報技術での機会均等への努力、(3)雇用の創出と起業家への機会提供の奨励、などが表明された。