サウジアラビアのジサン州で2009年11月にイエメンから越境してきた武装グループによってサウジ国境警備隊が攻撃される事件があり、両国国境付近で戦闘が続いている問題。越境したグループはイスラムのシーア派に属するホースィー・グループのメンバー。同グループはイランの最高指導者であった故ホメイニ師に共感した指導者フセイン・バドルディン・アル・ホースィー師を中心に北部イエメン山岳地域で信者を集め反政府活動を行っていた。同師は04年6月に殺害され、その後彼の兄弟によってグループが維持されている。同グループの武装活動に対しイエメン政府は鎮圧に努めていたが、09年8月以降、両者間の衝突が激化している。一方、11月の越境攻撃に対しサウジ側は、イエメン国内の同グループの拠点6カ所の空爆や1個旅団を国境地域に移動させるなどしている。なお、イエメン、サウジ政府はイランが同グループを支援していると非難している。