イスラエルとユダヤ人の利益を守るために広報などロビー活動を行うアメリカの政治組織。アメリカ在住のユダヤ人は約600万人といわれ、政治、経済、社会的に大きな影響力を持つ。代表的なユダヤ・ロビーとしてはイスラエル公共問題委員会(AIPAC)がある。アメリカでは、特定の利益を代弁するロビー活動が活発で、ユダヤ・ロビーは最も成功した例だといわれる。アラブ・ロビーもあるが、ユダヤ・ロビーに対抗できていない。アメリカの親イスラエル政策の背景には、ユダヤ・ロビーの存在があるといわれるほど。そのためユダヤ・ロビーは、イスラエルを支持している議員(下院、上院)を支援し、イスラエルに批判的な議員に対する圧力をかける、イスラエル政府の政策を無批判に支持し、アメリカの国益よりイスラエルの利益を重視するなどの批判もある。ワシントンでは、若い世代のユダヤ人による、新しいロビー活動を行うJストリートが創設された。同組織は、アメリカの国益を守る範囲内でイスラエルを支援する、イスラエルの政策を公の場で議論し、必要であれば批判するなど、従来にない形でイスラエルを支援する活動を行っている。既存のユダヤ・ロビーは、Jストリートを批判しているが、オバマ政権はJストリートに対する支持を表明している。