2011年のイラクで最も活発にテロを実行している組織。イラクのテロ組織の実態は不明で、犯行声明から組織の存在が推定されているのが現状だ。イラク・イスラム団は、スンニ派系の組織とされ、06年末ごろからテロ実行の声明を出すようになった。イラクでのテロは、中期的には減少傾向にあるが、イラク・イスラム団は、最も執拗(しつよう)にテロを実行している。指導者はアブーバクル・バグダディという名前で知られている。08年4月、イラク政府はバグダディを拘束したと発表したが、5月には本人名で逮捕を否定する音声声明が出されたことがある。10年12月、イラクのボウラーニー内相は、過去5年間に39人のイラク・イスラム団のメンバーを逮捕し、組織に関するかなりの情報を入手していると述べている。アメリカ軍の撤退について、12年1月25日、ネット上の声明で、アメリカがイラクから撤退したのは、自国の経済が崩壊し、コスト削減の必要があったからであると主張した。また、シーア派政府に更なる攻撃をしかけると脅迫している。ただ、同組織は資金難等の問題に直面していると報道されている。