2003年3月にイラクに進攻したアメリカ軍は、11年末に撤退を完了した。国連安全保障理事会(安保理)決議に基づくアメリカやイギリスなどによるイラク駐留多国籍軍の任期は、08年12月で終了した。その後、イラク政府とアメリカの地位協定によってアメリカ軍が駐留した。09年1月に就任したアメリカのオバマ大統領は、イラクでの戦争の早期終結を表明していた。アメリカ軍は、09年8月末までに都市部から撤退した。11年末の撤退を控え、アメリカ軍の一部が残留するとの見方もあったが、11年12月14日、オバマ大統領はイラク戦争の終了を宣言し、翌15日、イラクのアメリカ軍は任務終了の式典を行った。03年3月から11年末までのアメリカ軍の死者数は約4500人。アメリカ軍の撤退した12年1月には、シーア派を狙った爆弾テロが増加しており、宗派戦争が激化することが懸念されている。