サウジアラビアを含む中東の王制国家は、緩やかに民主化を進めている。その民主化の流れの一つの問題が女性の参政権。厳格なイスラム法を採用しているサウジでは、女性の社会進出が遅れている。絶対王政の国であるサウジでも、緩やかではあるが、民主化が進んでいる。2005年に地方議会の初めての選挙が開始され、11年4月に2回目の地方議会選挙が行われた。女性の参政権の問題は、最初から議論されていたが、第2回選挙でも見送りになった。しかし、サウジのアブドラ・ビン・アブドルアジズ国王は、9月25日、諮問評議会での演説で、15年の地方議会選挙から女性の選挙権を認めることを表明した。また次回諮問評議会(13年)から女性議員を任命すると述べた。近年サウジでは、女性が車の運転を禁止されていることに対する女性の不満が増大している。11年中にも、運転する映像をインターネットに流した女性が逮捕された後、国王の命令で恩赦されている。厳格な伝統を維持したい宗教界と、強まる女性の不満が対立しており、国王が政治的な配慮をして調整しているのが現状だ。アブドラ国王は80歳を超える高齢であるが、サウジで初の男女共学の大学を創設するなど大胆な政策を進めている。