パレスチナ自治政府が、国連に国家として加盟申請をした動き。2011年9月23日、パレスチナのアッバス大統領は、国連本部で潘基文(パン・ギムン)事務総長と会談し、国連への加盟を正式に申請した。同申請は、国連安全保障理事会(安保理)に送られ、28日安保理参加の「加盟審査委員会」に送られた。同委員会は、11月11日、全会一致の結論は出せないと安保理に回答した。その結果、安保理は何らかの結論を出さなくてはならない。アメリカは、パレスチナ国家の創設と国連加盟を支持しているが、イスラエルとの直接交渉で合意に至った後に、申請するべきだとしている。パレスチナ側は、直接交渉に応じないイスラエルに対する外交的圧力の一環として加盟申請を行い、交渉が再開すれば申請を取り下げる方針。アメリカは、安保理で申請を審議する際は拒否権を行使すると、事前にパレスチナ側に言明している。アメリカは拒否権行使を避けるため、イスラエルに直接交渉の再開を働きかけた。11年12月から12年1月にかけて、ヨルダンで、交渉再開のための予備協議が行われたが、交渉は再開しなかった。パレスチナは、国家としての加盟が拒否された場合は、オブザーバーとしての加盟を目指す方針。パレスチナ側は、国連への正式加盟を望んでいるが、1回の申請で認められるとは考えていない。