エジプトで行われた初めての自由選挙での大統領選挙。大統領選挙は2回行われた。2012年5月23、24日に第1回が行われた。その結果、自由公正党党首のムハンマド・ムルシ候補(576万4952票[得票率24.8%])と、軍出身でムバラク政権最後の首相であったアフマド・シャフィク候補(550万5327票[得票率23.7%])が決選投票に進んだ。6月16、17日に実施された決選投票は、24日に結果が発表され、ムルシ候補が1323万131票(得票率51.7%)、シャフィク候補は1234万7380票(得票率48.3%)となった。ムルシ候補は、エジプト初のムスリム同胞団出身大統領となったが、有権者の支持は過半数をわずかに超えたにすぎない。6月30日、ムルシ候補は大統領に就任した。ムルシ大統領は、8月12日、憲法宣言を発出して、立法権、行政権、予算承認権及び予算執行の監督権を掌握した。この時点で革命後、暫定的に統治していた軍最高評議会の政治的な役割は終了した。