シリア軍を離反した将兵で組織された部隊。2011年7月末、インターネットに、シリア軍から離脱した将校が「自由シリア軍」を創設したとの映像が投稿された。指揮を執るのは、リヤード・ムーサ・アスアド大佐(31日付アルジャジーラ放送)とされた。組織の創設は6月頃との報道もある。自由シリア軍は、組織化された軍隊ではなく、シリアの各地で戦う兵士や戦闘員らが、それぞれの独立性を保ちながら名目的に参加するアンブレラ方式の組織だとみられる。命令系統は確立されておらず、各戦闘部隊がそれぞれの指揮官の判断で行動しているようだ。12年9月、自由シリア軍は、司令部をシリア国内に移動したと発表した。12月には、自由シリア軍を含む反体制派が、トルコのイスタンブールで会合を開き、軍事的な連帯を強めるために統合司令部(高等軍事委員会)のメンバー30人を選出した。会合にはアメリカ、イギリス、フランスなどの治安当局者が参加したと報道された。欧米諸国は、シリア国内で実際に政府軍と戦っている部隊との連携を強めたい意向であるが、自由シリア軍は、まだそのレベルに達していない。