2013年6月のイラン大統領選挙でロウハニ大統領が50.7%の票を獲得して選出され、実務家で構成される政権を作った。改革派は、選挙直前に票のまとめに成功し、かろうじて過半数を超える票を得て、決戦投票なしで勝利した。ロウハニは8月4日に大統領に就任し、新内閣を組織した。新内閣には、アフマディネジャド前大統領時代と違い、担当する職務を熟知した閣僚らが配置された。その結果、意見の対立はあるとしても欧米諸国と会話ができる政権が成立した。9月末の国連総会前後には西側諸国との外交的接触が増加し、政治的な雰囲気も好転した。9月26日には、イランとアメリカの外相が会談し、翌27日にはアメリカのオバマ大統領とロウハニ大統領が電話会談を行った。イランの核問題については、11月24日イランは核開発を制限し、欧米諸国は経済制裁の一部を解除するとの暫定合意がイランとP5+1(国連安保理常任理事国5カ国とドイツ)外相会談で成立した。また国際原子力機関(IAEA)との間では原子力関係施設の査察再開で合意し、12月初旬から査察が再開されている。イランとP5+1は、14年7月までに本格合意に達する予定で協議を進行している。こうした動きにイスラエルとサウジアラビアが反発している。