2013年5月末にイスタンブールから開始された都市部の若者たちによる反政府デモ。トルコのエルドアン首相は長期安定政権を維持していた。しかし、政権が長期化した結果、エルドアン首相の言動は、都市部の若者たちの生活様式や価値観に介入することが増加していた。こうした不満が増大する中、イスタンブールの中心部タクシム広場の隣にあるゲジ広場の再開発に反対する少人数のデモ参加者と警察が衝突した。この小さな衝突がSNSやインターネットで広まり、数日後には1万人規模のデモに拡大した。エルドアン政権が、デモ隊を鎮圧する手段に出たこともあり、抗議デモは全国に拡大した。エルドアン首相は若者たちと協議する姿勢を見せ、7月にはイスタンブールの行政裁判所が公園の再開発工事の差し止めを命令したこともあり、抗議デモは下火になった。しかしエルドアン政権の長期化によるおごり、酒類の販売規制強化などイスラム的価値による締め付けなどがあり、火種は残っている。13年12月末には首都アンカラとイスタンブールで若者数千人が警察と衝突している。