アラビア語で縁(ふち)を意味し、サハラ砂漠南縁部を指す。サヘル諸国としては、西部からモーリタニア、セネガル、マリ、ブルキナファソ、ニジェール、チャドが挙げられるが、東部のエチオピアやスーダンを含むこともある。ほとんどの国が国連定義による最貧国である。年間降水量は100ミリから600ミリと少ない半乾燥地で、1960年代末から70年代初頭にかけて、また80年代初頭にも大干ばつが発生し、牧畜民を中心に多大な被害を出した。牧草再生量を上回る規模の牧畜による過放牧と綿花、落花生などの輸出向け栽培による過耕作も、この地域の砂漠化を促進している。96年、この地域の環境対策を重視した砂漠化対処条約が発効し、日本も98年に加盟した。最貧国が集中しているため、近年多発する、干ばつや洪水など地球温暖化の影響に十分に対処できていない。