国際通貨基金(IMF)、世界銀行とG7諸国は、しばしばアフリカ諸国政府に市場経済の急速な導入を背景としたさまざまな経済再生戦略を提示、実行を迫ってきたが、アフリカ諸国の対外債務の累積や貧困の拡大により、先進国主導のプランは行き詰まりを見せるようになった。2001年に入り、アフリカン・ルネサンスを持論とする南アフリカ、ナイジェリア、アルジェリアの各大統領が提唱するミレニアム・アフリカ再生計画(MAP)と、セネガルのワード大統領によるアフリカの経済再生を目指したオメガプランが、それぞれ打ち出された。同年7月のOAU(アフリカ統一機構)首脳会議では両者が単一のアフリカ新イニシアチブとして採択され、同月のジェノバでの主要先進国首脳会議でもこれらの首脳により披露された。その後「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」と改名され、02年のカナナスキスの主要先進国首脳会議で再披露された。グローバル経済に乗り遅れまいとする危機感に貫かれ、外国民間投資受け入れの促進、道路、鉄道などの大型投資の重視などが特色。裏付けのあるプランというより、アフリカ主要国元首による外資誘致のための先進国向け改革表明の色彩が強い。