日本政府の主導で、アフリカの国家元首を東京に招待して行われる、アフリカの開発をテーマとした国際会議。1993年以来5年ごとに行われてきた。2008年5月28日から30日までの3日間、第4回会議(TICAD4)が横浜市で開催された。50カ国以上のアフリカ諸国から、40人の首脳を含む参加者があった。折から食料高騰がアフリカ諸国の食料輸入国を襲っており、農業生産向上への支援、地球温暖化の影響に対して最も対処能力が弱いとされるアフリカ諸国への省エネルギー技術などの協力が、主な課題となった。日本の対アフリカ政策における同会議の位置づけとしては、日本政府の悲願である国連安保理常任理事国入りに不可欠なアフリカの票田と、中国などの新興国とも競合するアフリカの鉱物資源の確保が主として挙げられる。他方で、アフリカでの開発や紛争後の国づくりへの非政府組織(NGO)の参加も活発化するなか、日本、アフリカ、欧米のNGOの連合である「TICAD4・NGOネットワーク」と「2008年G8サミットNGOフォーラム」が、TICAD4に対して、日本を始めとする対アフリカ援助国に対する市民社会のより実質的参加などを提言した。こうした提言は、同年7月のG8北海道洞爺湖サミットでも行われ、とくに05年のイギリスのグレンイーグルズG8で掲げられた「対アフリカ政府開発援助を2010年までに5000億ドルに倍増する」という目標の実行を求めた。TICAD5は横浜市で13年6月に開催された。過去4回の会議に比しての最大の特徴は中国のアフリカ進出を強く意識して、民間企業の対アフリカ投資を前面に出した点であった。今後、もし同会議を継続するとしたら、アフリカ側が強く主張したアフリカでのTICAD開催に日本政府が応えられるかどうかが、双方の信頼関係の醸成において課題となる。