2004年4月、大統領選で現職のブーテフリカが84%の得票率で再選され、ブーテフリカ政権の存続が決まった。ブーテフリカは1970年代のブーメジエン革命評議会議長時代に外相を務め、99年4月、92年の軍事クーデター以来初の選挙で選ばれた文民大統領となった。また、イスラム原理主義集団に対して、恩赦や減刑と引き換えに国民和解政策を打ち出し、これにより、92年以来軍部による虐殺も含めて10万人近い犠牲者を出した実質的内戦状態に終止符を打とうとした。2003年3月、独立後初めてフランス大統領としてシラクがアルジェリアを公式訪問し、イラク戦争に反対する両国の立場が確認された。以降、地域安全保障を含め両国の関係は急速に進展している。07年4月、首都アルジェで自爆テロがあり、30人以上が死亡。同年12月にもアルジェの国連施設が爆破され、40人以上が死亡し、アルカイダ系の集団が犯行声明を出した。豊富な原油と天然ガス輸出による収入を国民の生活向上に結びつけることが最大の課題で、そのためには軍部の既得権を解体し、かつイスラム武装集団の活動を沈静化して、民主的体制に転換できるかがカギ。