フランス語圏西アフリカに地域分類され、サハラ砂漠と接する人口1500万人近くの最貧国。農牧民人口が多く、北部で採掘されているウランの輸出が主たる国家財源となっている。1999年クーデター後の民政移管選挙によって選ばれたママドウ・タンジャ大統領が2004年再選を果たした。三選を禁じる憲法を改正してまで政権を維持しようとした同大統領は09年、新憲法案の可否を問う国民投票を実施し、承認を得ることに成功した。しかしこれを不満とする軍部が10年2月クーデターを起こし、同大統領を拘束。「民主主義復帰最高会議」と称する暫定政権を発足させた。国民にはこの動きを歓迎する声もあったが、外交面ではアフリカ連合(AU)はニジェールの加盟資格を停止し、欧米が援助をストップするなど、国際社会で孤立する結果を生んだ。同年10月、再び新憲法案が国民投票で承認された。これにより11年に民政移管のための大統領選挙と議会選挙を行うことが公約された。