西アフリカのギニア湾に面する人口400万弱のリベリアは、2003年シエラレオネ、ギニア、コートジボワールなどの周辺国を巻き込んだ内戦を終結させ、05年の選挙ではアメリカに留学し、国連公務員であったジョンソン・サーリーフが新生リベリア初の女性大統領となった。11年11月の大統領決選投票では、野党候補が与党の選挙不正を理由にボイコットしたため37%という低い投票率のもとで91%の得票率で再選された。選挙委員会と欧米の選挙監視団は選挙の公正さを認めたが、与党などによる選挙違反は散見された。それに先立つ10月の第1回大統領選挙の数日前、同大統領は平和と女性の地位の向上に貢献したとして、同国の女性平和運動活動家のリーマ・ボウイーとイエメンのタワクル・カルマンとともにノーベル平和賞を受賞した。しかし出馬した現職大統領に対するノーベル平和賞授与は、選挙戦におけるリベリア国民の選択に影響を与えたという野党や独立メディアによる批判も出た。また公約してきた汚職追放も際立った成果を出せず、対外援助と国連の平和維持活動に依存した最貧国の課題は残り続けている。