2005年5月13日、ウズベキスタン東部フェルガナ地方で発生した、多数の一般市民の犠牲を伴った騒乱。同地方にあるアンディジャン市で武装集団が刑務所を襲撃、政治犯を含め約500人の受刑者を解放するとともに、アンディジャン州政府庁舎など市内の拠点を占拠。これに呼応してカリモフ退陣を求め1万人以上のデモが発生し、軍と治安部隊がこれを武力で鎮圧。公式発表では犠牲者は187人となっているが、ロシアや欧米のメディアではそれを大幅に超えると報じられた。刑務所襲撃の首謀グループとして「アクラミーヤ」の名が取りざたされたが、不明な点も多い。当局はこのグループを解放党などイスラム過激主義と連携しているテロ組織と危険視。事件に際し、中ロはウズベキスタン政府を支持したが、欧米諸国はこれを批判するとともに、カリモフ政権幹部のEU(欧州連合)内への入国制限、武器禁輸措置を打ち出す(05年11月。ただし、08年10月に一部解除)。事件に伴い隣国キルギスに500人を超える難民が流出。400人超が欧州に移送されたが、国際社会の批判にもかかわらず06年8 月に5人がウズベキスタンに引き渡されるなど、立場の不安定な難民・亡命申請者も多い。