「学ぶ者」を意味する。1996~2001年11月にかけ、アフガニスタン南部を中心に国土の大半を実効支配したイスラム武装政治運動。内戦時にパキスタンのマドラサ(宗教教育学校)の学生となった、アフガニスタンからの避難民子弟が、カンダハルの導師オマルを中心に結集。パシュトゥン人が主体。パキスタンの支援を受け、1996年に首都カブールを制圧。「アフガニスタン・イスラム首長国」を宣言した。内戦を深刻化させる軍閥を排除し、秩序をもたらした「義士」としての性格を備えていた半面、女性に対する教育・就業の制限、偶像破壊など、原理主義的な政策を強行したことから、内外からの批判を浴びた。96年以来、9.11事件の首謀者と見なされたビンラディンを客人としてかくまったため、アメリカ軍などによる掃討作戦の標的となり、壊滅的な打撃を受けた。2001年12月7日、拠点としていたカンダハルを放棄。その後、残党がパキスタンとの国境地帯などに潜伏し、03年ころよりテロを頻発させている。近年、その勢力は急速に拡大している。