正式名称は「民主主義・経済発展機構GUAM」。ジョージア(旧称グルジア)、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバから構成される親欧米的な地域機構。2006年5月23日設立。事務局はウクライナの首都キエフ。前身は1996年5月の首脳会合を契機に発足し、加盟国名の頭文字をとってやはり「GUAM」と称した地域グループ。99年4月、ウズベキスタンが加盟し「GUUAM」とつづるようになったが、加盟国の内政不安、対ロ関係をめぐる路線対立、とりわけモルドバの親ロ化、ウズベキスタンの参加停止(2002年6月)により、活動は形骸化。03年以降のジョージア、ウクライナでの「色つき革命」を経て、モルドバも親欧米路線を改めて明確にし、05年5月にウズベキスタンが脱退を表明したことで、再出発を果たした。設立宣言では、民主主義の向上、法の支配の徹底、人権・自由の尊重などの目的を示すとともに、中央アジアやカスピ海からのエネルギー資源輸送の多様性の確保、テロ対策などにも言及。独自の平和維持部隊を編成する構想もある。05年12月、GUAM加盟国やバルト諸国、中東欧諸国計9カ国で結成された「民主的選択共同体」(アゼルバイジャンはオブザーバー参加)とともに、新たな地域協力の枠組みとして注目される。