アメリカの「対テロ戦争」を遂行するため、2001年12月にキルギス首都近郊のマナス国際空港に併設して開かれた軍用施設。「不朽の自由」作戦に参加する他の北大西洋条約機構(NATO)諸国、アメリカ同盟国の要員も駐留。アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)の活動のための要員・物資輸送中継地として重要。
05年7月、上海協力機構(SCO)首脳会合で、アメリカ主導の「有志連合」軍の中央アジアからの撤退期限の明確化を求める声明が出されるなど、中国やロシアではアメリカ軍駐留の長期化を懸念。また、地元キルギス政府も基地の存在を利用して米ロ双方に経済支援やより高額な基地使用料を要求。06年および09年、キルギスとアメリカとの間で基地の存続をめぐって交渉が進められ、いずれもキルギス側に有利な結果となった。09年6月の両国間合意によって、基地年間使用料は6000万ドルに引き上げられた。また、この合意を機に正式名称も「マナス中継センター」(Transit Center at Manas)となり、食糧など非軍事物資に輸送対象が限定されている。11年12月に就任したアタムバエフ新大統領は、14年以降の基地駐留更新に否定的な態度を示している。