2009年7月23日、現職のクルマンベク・バキエフ大統領が圧勝し、再選を決めた選挙。6人が立候補し、投票率79.13%、バキエフが投票総数の76.43%を獲得(いずれも8月11日付、キルギス中央選管より欧州安全保障協力機構(OSCE)に通達されたもの)。05年チューリップ革命直後に実施された前回の大統領選に比べ、当初スケジュール通り選挙が実施されるなど、混乱は少なかった。しかし、民主主義の基準について前回高評価を下したOSCEは、現職に有利な放送や報道、中央選挙管理委員会の透明性欠如などを指摘し、その評価を著しく後退させた。
選挙後のバキエフ政権は、前アカエフ政権の轍(てつ)を踏み、縁故主義によって権力基盤を強化させる傾向にあった。09年10月、外務省や情報機関などが大統領直属の機関となるとともに、大統領直属の「中央発展・投資・イノベーション庁」が新設された。同庁長官には大統領の子息が就任。新首相にはバキエフを金銭面で支えてきた企業家でビシケク市長のダニエル・ウセノフが就任した。