2010年の政変後に制度構築された、現行のキルギス共和国の政治体制。旧ソ連・中央アジアで議会主導により内閣の編成を含めた民主主義が制度化されるのは初めて。10年6月27日の国民投票による新憲法採択によって、新議会は定数を90から120に増加させ、任期は5年と定められた。大統領職は維持されたが、任期6年・再選禁止とされ、防衛・治安関係の閣僚を除いて大幅に人事権が縮小された。10月10日に実施された新議会選挙は政党を選ぶ比例代表制であり、29政党が乱立。大半の党が議席獲得のための最低得票率(5%)を得られず、与党・社会民主党など5政党が議席を獲得。旧バキエフ支持派が残る「アタ・ジュルト」が第1党(28議席)となり、同党のケルディベコフ党首が議会議長に選出された(12月17日)。また、いずれの政党も議会内での過半数を得ていないことから、社会民主党を軸に連立政権の樹立を目指し、同党党首のアタムバエフが首相に就任した(12月20日)。11年12月にアタムバエフが大統領に就任、新政権が発足し、議会議長は大統領と同じ社会民主党出身のジェーンベコフが、また首相には連立与党の一角、共和国党党首バパノフが就任した。