2011年4月3日に実施され、現職のナザルバエフが5回目の当選を決めた選挙。10年末から翌11年初頭にかけ、20年までのナザルバエフ大統領の権限延長を求める動きが高まった。この機運は市民グループからの嘆願によって盛り上がったと報じられたが、政権側の「演出」も多分にあったと推測される。議会で大統領の任期延長に関する国民投票の実施にかかわる憲法改正案が可決されたが、11年1月6日に大統領自身が同案への署名を拒否。大統領任期延長について内外の批判が高まる中、憲法協議会が当該法案を違憲と判定し(1月31日)、国民投票は見送られた。他方、ナザルバエフは当初12年12月に実施予定であった大統領選挙の前倒しを提案、選挙実施に至った。ナザルバエフのほか3人が立候補。しかし、いずれも弱小政党ないし政権の路線に同調的な「疑似野党」の出身であり、政権と対立を明確化する主要勢力は候補擁立を見送ったことで、事実上の無風選挙、ナザルバエフへの信任投票となった。投票率は89.98%。ナザルバエフが95.55%を得票し圧勝。任期は5年。