中央アジアの中では政情が安定していたカザフスタンで、2011年に入ってからテロや暴動が相次いだ。5月、カスピ海に近い西部の主要都市アクトベで、イスラム過激派によるものとみられる自爆テロが発生。旧首都で国内最大の都市アルマトイにも連鎖した。11月には南部タラス市でも7人の死者を出すテロがあった。当局側は、これらをロシアのダゲスタン共和国やアフガニスタンなどから流入した過激派によるものとみている。また、12月には西部マングィスタウ州第2の都市ジャナオゼンで、解雇された労働者が、処遇への不満から地元役所や勤めていた石油企業を襲撃し、治安部隊と衝突。混乱はカスピ海の港湾都市である州都アクタウにも及び、少なくとも17人の死者を出す惨事となった。いずれの事件も、汚職の蔓延(まんえん)や貧富の格差の拡大に対する不満が背景にあると考えられる。