2011年10月30日に実施された、10年のキルギス政変後の民主化定着の試金石となった選挙。10年の新憲法により、従来5年の任期・3選禁止とされてきた大統領職は、引き続き国民の直接選挙で選ばれるものの、任期6年・再選禁止とされ、人事任免権も大幅に縮小された。最終的に16人の候補が乱立したが、政変後のオトゥンバエワ政権下で首相を務めたアタムバエフが62.52%の得票率で当選し、12月大統領に就任。これにより、10年政変後の政権移行のプロセスが完了した。ソ連解体後の中央アジアにおいて初めて民主的かつ平和裏に政権が交代された事例として注目すべき半面、新大統領のもとで編成された連立政権には第1党の「アタ・ジュルト」が外れたことからも、今後の政権運営には困難が予想される。