臨時教育審議会答申及び1987年の教育課程審議会答申で示され、89年改訂の学習指導要領で採用された学力観。従来の学力観は共通学力や定型的な知識を重視する傾向にあったが、新学力観は変化に対応できる能力、生きる力、自ら学び考える力、問題解決能力、個性的能力などを重視する。この転換に伴い、教師の役割も指導から支援へ、学力の評価も「知識・理解」から「観点別学習状況」「関心・意欲・態度」へと重点のシフトが図られているが、特に中学校では高校入試との関連で試行錯誤が続いている。「学力低下」論が強まるなかで、「学び」や「学力」の意味の再検討が迫られている。