大学を設置するのに必要な最低の基準及びそれを定めた法令。学部・学科、講座制・学科目制、教員資格、教育課程、卒業要件、施設設備等について基準を定め、1956年に文部省令として制定されて以来、大学の在り方を規制してきた。大学教育の水準維持に寄与した半面、各大学の自主的改革の試みを抑制してきたとして、91年に大学設置基準、短期大学設置基準等の改正が行われ、諸基準が大幅に緩和された(大学設置基準の大綱化)。主な改正点は、一般教育と専門教育の区分及び一般教育科目の必修枠を廃止し、各大学が独自にカリキュラムを編成できるようにした点や、大学の自己点検・自己評価の実施とその結果の公表を義務づけた点などである。この改正を受けて多くの大学でカリキュラム改革が進められるようになり、また多くの国立大学で「教養部」が改廃された。2010年にも改正され、11年度からは、職業生活への移行を支援するべくキャリア教育が義務づけられることになった。