一度社会に出た者が学校に戻ることができるように組織された教育システム。再生教育、循環教育と訳されることもある。1969年の欧州文部大臣会議でスウェーデンのパルメ(O.Palme)文相が用い、70年代にOECDの教育政策論の中心概念として普及した。生涯教育が生涯にわたる学習機会の保障を目的とするのに対し、学校教育と職業生活を往還できるようにすることを目的とする。スウェーデンなどの有給教育休暇制度、アメリカの専門職従事者の再教育を行うコミュニティー・カレッジ、日本の社会人入学制や夜間大学院、昼夜開講制大学院などは、リカレント教育の理念に沿うものである。旧文部省は、社会人を対象に大学・大学院などで職業上の知識・技術を再生・更新することを目的とした教育をリフレッシュ教育と呼び、その推進を図った。