若者の流出に悩む地方自治体と、定員割れで財政が逼迫する地方私立大学の利害が一致し、かつ、安倍晋三内閣が掲げる「地方創生」という錦の御旗が追い風となって実現している施策。私立大学を公立とみなし、国からの財政支援で、表向き健全経営に見せかける救済策である。地方交付税投入のおかげで授業料は大幅に減じられ、もともと国公立志向の強い地方の保護者・受験生にとっては魅力的な選択肢が増えることになった。これによって受験倍率も開学時に比べ大幅増となるケースが多い。2017年度までに公設民営の大学を含めて、全国で8校が開学している。ただし、公立化が持続可能な取り組みであるのかは疑問が残る。