車内での痴漢行為など性的犯罪への防止策として、乗車を女性のみに限定した車両。1912年、東京の中央線で「痴漢学生」対策として登場した「婦人専用電車」が最初(短期間で廃止)。中央線ではさらに47年「婦人子ども専用車」を導入したが73年には廃止、その後2000年に京王電鉄が試験的に導入した。02年1月に国土交通省が首都圏でアンケートを行った結果、導入賛同者が多く、普及が求められていることが明らかになった。05年春、JR東日本と関東の大手私鉄8社が実施。07年には関西地区、名古屋地区にも広がった。女性への優遇措置で逆差別ではないかとの反対意見、かえって不便との女性の意見もあるが、女性車両の支持者は多い。東京と関西の一部では、女性のほかに小学生以下の男児と身体障害者の男性、介助男性の場合も可とする。最近では痴漢の冤罪(えんざい)を避けるために男性専用車両を望む声も上がっているが実現されていない。