文化的・社会的につくられ、変化する性、性別、性差。「女(男)である」という性別の認知から、「男は仕事、女は家庭」など性別ごとに割り当てられる役割期待や象徴的意味、権力格差などを幅広く含む。文法用語としてのジェンダーを再定義した概念。主として外性器官の形態上の差に基づいて判断される男女の生物学的性(セックス)とは区別して、欧米を中心にフェミニズム運動が盛んになった1970年代から用いられた。性別概念や性別役割分業のありかたは普遍的ではなく、社会的・文化的につくられる面があり、変化・変革し得るとの認識に基づいている。ジェンダー概念を用いた分析によりセクシュアリティーの多様性、階級・民族間の差別と性差別の関連が理解しやすくなり、克服の可能性が広がっている。