各国において女性が政治や経済分野で活動し、意思決定に参加している度合いや、女性の経済的な力を測る尺度として国連開発計画(UNDP)が2009年まで用いていた統計的手法。国会議員の女性比率、女性の所得、専門職・技術職・上級行政職・管理職に占める女性比率で算出。GDI(ジェンダー開発指数。平均寿命、教育水準、国民所得などの基本的能力についての男女間格差を考慮して算出)とともに重視されていた。日本はGDIが155カ国中14位であるのに、国会議員や管理職など、意思決定の場への女性の参画率が極めて低いため、GEMが109カ国中57位にとどまっていた(UNDP「人間開発報告書2009」)。先進国であるにもかかわらず男女平等の実現が遅れている日本の状況を明確に示す指数として頻繁に用いられてきたが、10年からはGDIとGEMに代わり、HDI(人間開発指数。出生時の平均余命、平均就学年数、1人当たりの実質GDPなどで測定)と、GII(ジェンダー不平等指数。リプロダクティブ・ヘルス、エンパワーメント、労働市場への参加を指標としたもの)が用いられている(UNDP「人間開発報告書2010」)。