積極的に育児をする男性が「イクメン(育男)」と呼ばれているが、男性の育児休業取得率は依然として低い。常用労働者10人以上の事業所で配偶者の出産で休暇を取得した男性は3.16%(前年比0.51ポイント増、女性は前年比0.3ポイント増で81.8%)と、政府が「少子化社会対策大綱」で掲げた数値目標(男性10%)にはほど遠い(2016年、厚生労働省「雇用均等基本調査」)。取得期間では、女性は長期化傾向(10カ月以上が63.4%)だが、男性は「5日未満」が最多で44.3%、「1カ月未満」が取得者全体の75.5%を占め、「6カ月以上」は4.4%にとどまっている(12年、同調査)。男性の育児参加が叫ばれ、東京都の調査でも52.5%が取得を希望している(11年、「東京都男女雇用平等参画状況調査」)が、職場の反応や昇進への影響、家計問題などを考えて、ためらっている。05年の次世代育成支援対策推進法の施行で、各事業所は短期や有給の育児休業制度や在宅勤務制度などを新設し、男性が取得しやすい環境づくりに取り組み始めた。育児休暇を前向きに捉え、「男性が取得する雰囲気ではない」職場の壁を崩すことが課題。こうした現実をふまえ、政府は「第3次男女共同参画基本計画」で、男性が家庭生活によりかかわることを進める「男性にとっての男女共同参画」の推進を重視している。