婚姻届を出していない男女間に生まれた子ども。婚外子。2014年には全出生数の2.28%(1980年は0.80%、95年は1.24%)で、微増傾向が続いている(厚生労働省「人口動態統計」)。日本では法的にも社会的にも差別的扱いが強く残っている。親との続柄で、嫡出子は戸籍、住民票ともに「長女」「二男」などと記載されるが、非嫡出子は戸籍には「女」「男」、住民票には「子」と区別されてきた。取り消しを求める訴訟で、住民票はともに「子」に(95年)、戸籍も「長女」「二男」の形に統一された(2004年)。相続権では法定相続分が嫡出子の2分の1と民法に規定(900条4号)があった。この相続差別規定は1995年の最高裁判所での決定以後「合憲」の判断が続いたが、2011年8月に大阪高等裁判所で初めて、差別を助長するとして「違憲」だとの判断が下され、13年9月には最高裁大法廷の裁判官全員一致で「違憲」と判断された。これを受けて同12月には民法が改正され、非嫡出子と嫡出子の相続分は同等となった。出生届の嫡出子か非嫡出子かの記載規定の削除案(戸籍法改正)については見送られた。欧州連合(EU)やアメリカなどでの非嫡出子の比率は4割を超えていて、法制度上の差別もなくなりつつある。日本政府には国連の規約人権委員会および女性差別撤廃委員会から法改正の勧告が出ていた。