女性医師による女性のための外来で、性差医療の実践の場。医学ではこれまで主に男性の身体を対象に研究が行われてきたが、様々な疾患の原因、治療法などが男女で異なることが分かってきた。1980年代にアメリカで研究が始まり、日本でも2003年に40人の医師らによる女性医療ネットワークが設立された。現在、全国で次々と開設され、インターネットなどでも紹介されている。じっくりと時間をかける診療が特徴。従来の医療現場では病気と判断されず処置されなかった、月経時、更年期、老年期の不調など、女性ホルモンに影響される多岐にわたる症状の診断や治療が最大の目的。全国の民間機関や公立病院に開設され、婦人科、内科、心療内科、泌尿器科、乳腺外科などの専門領域を超えたかたちで設置されている。「何となく調子が悪い(不定愁訴)」など、女性特有の心と身体の悩みを解決する新しい医療サービス。男女の性差に配慮した医療の重要性が認識され始めた。12年の日本女性医学学会による調査では、45~55歳女性のほとんどがほてりや不眠の症状があり、この内4分の1は医療機関の受診が必要な状態であった。