就職活動(就活)のアナロジーとして、結婚活動を「婚活」、離婚に向けた活動を「離活」と呼ぶ。婚活は2007年11月、雑誌「AERA」での山田昌弘(家族社会学者)が初出。離活は婚活から派生した。09年4月放送のNHK金曜ドラマ「コンカツ・リカツ」が双方を女性の立場から扱い、フジテレビ系も月曜夜9時枠で非正規雇用男性の「婚カツ!」を描いた。社会人への関門として就活が常態化したと同様、結婚についても積極的に情報収集し、チャンスを求め、望む相手に見合う外見・内面・振る舞いを身につける自助努力が必要だとする。経済力をもつ女性にとって結婚は不可欠ではなく、よりよい生活を目指すためのものとなる。一方、年功序列制度・終身雇用など家族を扶養できる長期的経済基盤が崩壊し、男性は結婚に踏み切り難い。1960年代以降、恋愛結婚が主流化したが、実態は見合いと同様「男性稼ぎ主・女性は支え手」が前提で、恋愛相手にも見合いと似た条件を求め、それがかなえられやすかった。だが今、相手に好条件(男性には高収入、女性には外見や気立てのよさ)を求めれば競争は激しい。就活と同様、情報検索で条件を絞って出会う手順は見合いの釣書交換と似る。離婚に関しても、経済状況の厳しさから「よりよい離婚」を実現するには、財産分与・年金分割・子どもの親権などさまざまな条件を整えることが必要との認識が男性にも広がっている。