日本の女性議員比率は世界でも長らく下位にあり、日本では政治分野への女性進出が大幅に遅れている。日本の女性が参政権を獲得したのは第二次世界大戦敗戦後の1945年であり、46年の衆議院議員総選挙で39人の女性議員が誕生したが、その後は長く低迷が続いた。参議院に比べて女性議員比率の低い衆議院の選挙を見ると、2005年の「小泉郵政選挙」で43人(女性議員比率9%)と初めて1946年の結果を上回り、09年は民主党が女性候補を積極的に擁立したので54人と比率が初めて1割を超えた(11.3%)が、12年には39人と再び減少。14年12月現在、国会議員の女性比率は、衆議院で9.5%(45人)、参議院で15.7%(38人)(総務省)。14年12月の衆議院選での女性候補者の当選比率は22.7%だった。第3次男女共同参画基本計画(10年、内閣府)では衆議院・参議院の候補者に占める女性割合の達成目標を20年までに30%としているが厳しい現状だ。15年4月の統一地方選挙では4人の女性市長が誕生したが、地方議会での女性比率は1~2割台に留まっている。17年の衆議院選挙では当選者465人中女性議員は47人、全議員の10.1%であった。世界の国会議員(二院制の国は下院)の女性比率の平均は12年で20.3%、第1位はルワンダ(下院63.8%)で、日本は190カ国中122位(13年、列国議会同盟〈IPU〉調査)。15年は、第1位ルワンダ(下院57.5%)、日本は順位が下がり189カ国中147位(15年、同調査)。17年は193カ国中、日本は163位、1位はルワンダ(17年、同調査)。海外では政党がクオータ制(割り当て制)や、比例名簿順位を男女交互にするなど積極的改善策を導入し、女性議員を増やす国が増えている。憲法や法律に定められている法律型クオータ制を採用した国はルワンダ、タンザニアなど79、政党などの規約類において自発的に定められている政党型クオータを導入している国は32である(15年、国会図書館)。フランスは公職における男女平等参画促進法(パリテ法、男女同数法)を制定(2000年)。なお、アジアにおける女性首長を見ると、韓国では12年12月の選挙で初の女性大統領が、台湾では16年に初の女性総統が誕生した。日本では16年、小池百合子氏が女性として初めて東京都知事に就任した。