性的な自己認識や指向がマジョリティー(多数者)と異なるために、社会的に理不尽な扱いを受ける存在をいう。同性愛、両性愛、半陰陽、トランスジェンダー、インターセックスなどを含む。セクシュアルマイノリティーという言葉には、差別的なニュアンスがあるため、最近はLGBTIという用語が使われる。L(Lesbian レズビアン)は女性同性愛、G(Gay ゲイ)は男性同性愛、B(Bisexual バイセクシャル)は両性愛。T(Transgender トランスジェンダー)は、身体の性ではなく、女に生まれたが女だと思えないというように性自認(人が男性か女性かを自認すること)で判断する性別違和で、社会生活に支障がある状態は性同一性障害とし、疾患とみなされる。I(intersexual インターセクシュアル)は性分化疾患ともいい、身体の性が男女の特徴をもつ、または男女に分化していないこと。人間の性は複雑であり、多様であるが、その多様性を容認しない社会は多い。2009年の国際レズビアン・ゲイ協会(ILGA)の発表では、42の国と地域で同性愛行為が男女ともに禁止され、男性のみの禁止が40の国と地域。日本では、12年9月にLGBTの理解を広めるため、同テーマを扱う映画祭としてはアジア最大級の第21回「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」(現・「レインボー・リール東京」)が港区で開催され、観客動員数が10万人と突破した。LGBTの象徴はレインボーカラーで、15年5月のゴールデンウィークから毎年、LGBTの当事者やその支援者(アライ ally)たちが、自分らしく生きる社会をめざして「レインボーウイーク」と称し東京でレインボーパレードが開催されている。15年4月、文部科学省は性同一性障害に限らず、同性愛者や両性愛者など性的少数者の児童・生徒を支援する通知を全国の教育委員会などに出した。